
早いものでチアリーディング世界大会観戦からもう1ヶ月が経とうとしています。
フロリダの暑い熱気の記憶が薄れつつありますが、ここ数日の真夏のような暑い日々を過ごし、フロリダの灼熱の日差しがまた思い出されました。
久しぶりに観戦した世界大会を通じて、感じたことを改めて綴ってみたいと思います。
チアリーディング世界大会についてはこちらの記事でも解説しています。
3つのチアリーディング世界大会
ICU世界大会観戦から感じたこと
今回、私は9年ぶりにチアリーディング世界大会を観戦してきました。
9年前と言えば、ICU世界大会開催2年目の年。
当時のこの大会では、まだまだチアリーディングは世界的なスポーツとしては発展途上、という印象でした。
アメリカチームの実力が突出していて、カナダやチャイニーズタイペイが次の上位有力候補、その他の国のチームはまだまだ演技内容もスキルも全く及ばない、という状況でした。
今回、久しぶりに大会観戦をしてまず感じたのが、ヨーロッパや南米の国々の実力がグンと上がり、当時の上位チームが目立たなくなっている、ということでした。
それぞれの国がお国柄を活かしてチアリーディングというスポーツを発展させていっている、と感じました。
ヨーロッパ、特に北欧のチームはスタンツやタンブリングスキルを着実に磨き、アメリカとはちょっと違ったノーブルな雰囲気のチアリーディング。
南米はまさにラテンのノリで観客を巻き込む情熱的なチアリーディング。
多少荒削りではあるものの、スキルもかなり高くなっていました。
様々な国のチームがスキルアップしていることで大会としての盛り上がりも当時とは比べ物にならないほど大盛況!
会場全体で世界各国のコールの掛け合いをし、選手だけなく観客席も一緒に楽しめるチアリーディングの良さが存分に出た大会へと発展していました。
このように各国がそれぞれのカラーでチアリーディングを発展させていっている一方、アメリカをはじめとする以前のトップチームはあまり進化を感じませんでした。
もちろん当時より難度の高い技は組み込まれていると思いますが、自分たちの演技を変化させて発展している印象はありませんでした。
私の印象と大会での順位はだいたい合っていましたので、やはり、表現スポーツではそういった進化した演技というものは評価されているのではないかな、と思います。
現状を「維持」していくためには、「同じこと」を繰り返していくだけでは退化してしまいます。
時は流れていくもの、その流れの中で少しずつ変化する景色を敏感に捉えながら、変化に対応していく努力、が必要なのだと思います。
日本のレベル
さて、一方、日本の状況はどうでしょうか。
9年前から確実に「変化」しているのは、ジュニア世代のスキルレベルです。
当時から考えるとかなりレベルアップして、世界レベルにまで引き上がってきています。
今回、ICU世界大会でも、ジュニア大会では2位という素晴らしい成績!
結果としても証明されています。
当時はまだ世界ルールを採用した競技会も国内になかった状況なので、日本とは異なるルールの大会にチャレンジしても、世界レベルには到底及ばない、という状況でした。
しかし現在は、世界ルールを採用した競技会の数も増え、そのルールの中で幼い頃から取り組んできたこども達が世界に挑戦できる選手として成長してきているんだな、と感じました。
まだまだ若い選手で構成されているチームJapan。
数年後、この選手がさらに成熟した時、世界の中にどう食い込んでいけるのか、とても楽しみに思います。
世界と繋がる
大学時代から始めたチアリーディング。
会場全体が「応援し合う」ことでエネルギーに満ち溢れ、大きなパワーが渦巻く中心のステージで演技する魅力に取り憑かれ、ただただそれが楽しくて夢中になりました。
社会人になってからも、その感覚が忘れられずに社会人チームで活動を続け、自然な流れで後進の育成に携わる機会と巡り会い、今に至ります。
当時は、こんな人生を歩むことも想像していませんでしたし、この競技を通じて世界に繋がっていけるとは思ってもいませんでした。
好きなことで世界にチャレンジする機会があるなんて、夢が広がります。
自分の現役時代には考えられないチャンスがある今の世代のチアリーダーを羨ましくも思います。
コーチとして、こども達が描く夢への可能性を広げることができるよう、一つ一つ目の前のことを丁寧に積み重ねていこう。
今回の世界大会観戦を通じて、改めてそんな風に思いました。